部下育成指導 | 頭の整理と思考のトレーニング

部下育成指導

マネージャーの「仕事」において、部下育成は最も重要なものの1つ です。私はそういう立場にはありませんが、後輩社員の育成指導をする機会は良くありまして、日々その難しさを実感しています。

先日、とある老舗料亭の板前長の話をTVで見て、非常に心に響くものがありました。数多くの板前さんを取り仕切り、老舗料亭としての誇りと“プロの仕事”に拘っていらっしゃる方のお話です。

■叱るということ

叱るということは、上の者の言葉・行動をきっかけに部下自身が変わるように促すということ。

嫌々ながら変えるのではなく自らが反省し、「次こそは」と発奮させなければならない。そのためには、上に立つ者が模範を示すことが必要。どんな世界でも上に立つ者はそれなりの努力をしてその地位にいるのであって、叱れる力はあるはず。真剣に物事に取り組み真向勝負の気持ちを持って、事に立ち向かっていれば出来る。叱れない上司というのは、それだけ真向勝負を自分がしていないということ。

私は後輩社員に嫌われたくはありません。「叱る」という行為は、叱っている方も気分の良いものではありません。また、叱ったりアドバイスを送ったりしている最中に「自分は出来ているのか?」等と自問自答したりすることもしばしばです。

それでも、ある意味自分に鞭打ちながら「叱る」という行為を行ってきたのですが、自分自身がどれだけ真向勝負を出来ているのか、改めて胸に手を当ててみたいと思います。

■小事は大事

大きな失敗はその本人だけでなくお店の信用にも関わる。だから絶対に起こしてはならない。そのためにも小さなことでも叱らなければならないときは注意ではなく本気で全力を出して叱る。中途半端は叱責は効果は薄く、また同じ失敗を繰り返す。それが真剣勝負、真向勝負しているプロの職場である。叱ることの出来ない上司の元では優秀な人間は決して育たない。

大きな事も最初は小さいことから始まる。小事をおろそかにしては大事は絶対に成し得ない。一流と二流の違いはほんの小さなミスでも良しと思うか、そのミスは許せないと思うかの違いで決まる。

些細な事だから目を瞑っておいてやるか・・・。正直、そういうことが今までに何度かあります。それを優しさだと自分を誤魔化したことがあります。

大きな失敗は本人が自分で反省しているもの。小さく些細な失敗は、本人が気づかずにいるもの。本人が気付いていないことを一つ一つ注意し叱ってやることこそが、本人のためであり本当の優しさなのだと、分かってはいたつもりなのですが、出来ていないのが現実かもしれません。

今までも頭では分かっていたことです。しかし実際に自分が後輩社員の指導を行うようになり、何よりも難しいことは「叱る」ことだと身をもって実感している次第です。