セキュリティと利便性のバランス | 頭の整理と思考のトレーニング

セキュリティと利便性のバランス

BizPlus: 日立、社内業務でパソコン利用全廃

日立製作所グループが、社員が業務で利用するパソコン約30万台を全廃し、情報漏えい防止型のネットワーク端末に切り替えるのだそうです。まず、社内の情報・通信部門の事業所に3月までに2000台の新型端末を配備し、早ければ4年後にも本社やグループ企業が持つ約30万台のパソコンすべての切り替えを終える予定とのこと。

経済産業省が「情報セキュリティ総合戦略」を2003年に発表してからというもの、IT活用時のセキュリティについて話題が絶える事がありませんね。

2005年4月から個人情報保護法が施行される予定なので、各企業の情報漏洩や情報流出等に対するセキュリティ対策には相当に力が注がれています。Yahoo! BBの顧客情報流出事件などは記憶に新しいところで、こういった事件が企業としての信用失墜に直結することは言うまでもありません。

しかしまぁ、セキュリティ対策の話題が多いとは言え、今回の日立の取組みにはかなり驚きました。パソコン全廃とは思い切ったお話です。

5~7年前(うろ覚えです。はい。)くらいに、「Thin Client(シン・クライアント)」なんて言葉がIT系の雑誌に載っていたのを思い出します。最近はあまり聞きませんが。その名の通り、機能が「thin=薄い」クライアント端末のことで、HDDやCD、DVD-ROMドライブなどを持たないパソコンをイメージすれば良いと思います。確かオラクル社が主に提唱していたという記憶があります。日立の新型端末とやらは、このThin Clientに該当するのでしょうね。

だいたい日立はパソコン・メーカーでもある訳ですが、パソコンのビジネスユースを否定していく考えなのでしょうか?先日の「米IBM、全PC事業を中国レノボに売却」と共に、ポスト・パソコンを予感させるお話です。

ただ、周りを見渡すとセキュリティ対策が強化されればされる程、仕事をする上で不便な事が増加していく気がするのは私だけでしょうか?日立の社員の方々はどのように感じているのでしょう?

セキュリティと利便性のバランスがうまくとられ、それによって、安心で・新しくて・便利な世界をもたらしてくれれば良いなぁと思います。


【追記】
IT Pro:日立が4月にもノート型ネットワーク端末を発売、価格は10万円以下」なんてニュースも出てました。