残念な人の思考法 | 頭の整理と思考のトレーニング

残念な人の思考法

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)/山崎将志
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○能力もヤル気もあるのに結果が出ない「残念な人」。


○「セールスには論理思考が不可欠だ。私はセールスマンだ。だから私には論理思考が不可欠だ」

  「セールスには論理思考は必要ない。私はセールスマンだ。だから私には論理思考は必要ない」

  どちらも論理的には正しいが、結論は異なる。そうなる理由は論理の出発点が違うから。

 同じ道筋を辿っているにもかかわらず結果が異なるということは、「前提条件」が異なるということ。

  残念な人は「前提条件」で間違えている。これが、能力もヤル気も十分だが成果が出ない人の本質。


○仕事の成果=プライオリティ(の正しさ)×能力×ヤル気


○プライオリティの「正否」と「適否」

  ・正否とは、その時の選択が常に正しいか否かの明確性。

  ・適否とは、その時の状況にマッチしているか否か。相対的に変化するもの。


○1.顧客第一主義を貫いている(=顧客の選り好みをしない)

  2.スピード対応(=顧客に呼ばれたらすぐに飛んでいく)

  3.顧客満足向上(=顧客の要望に可能な限り応える)


 ・3つ全部に「○」がついた人は顧客にとっての理想的な営業担当者であり、残念ながら売れない

  営業担当者。

 ・「顧客の選り好みをしない」

  ・・・付き合いたい客ではなく、付き合わなければならない顧客と付き合っているということ。

    意思の疎通が上手くいかない顧客ばかり相手にしていると、自律的にスケジュールを

    組むことができない。

 ・「呼ばれてすぐに飛んでいく」

  ・・・使い勝手がよいと思われてタダ働きが増え、結局時間を浪費。

 ・「要望をきいてばかりいる」

  ・・・相手に軽く見られ、いくら時間を費やしても成約に持ち込むことができない。

 ・残念な営業担当者ほど、目先の相手に集中しがち。


○できる営業担当者は、クレヨンで塗り絵を塗るように仕事を進める。

 ・塗り絵の枠をふちどってから色を塗っていく。

 ・塗り絵の枠を描くだけで、仕事は劇的に変わる。


   1.何の絵を描くのかを明確にする

      (パンダの絵を描くのか、ネコを描くのか)

   2.パーツの形と色を知る

      (パンダの耳はどんな形で何色をしているのか)

   3.どこをどう塗ればそれらしく見えるかを考える

      (パンダ:目の周りを黒く塗る、シマウマ:黒い縦ジマを描く 等)

   4.枠を塗る

   5.中身を塗る


○問題に集中するな、機会に集中せよ。

 ・振返りは必要だが、それは失ったものの価値を計算してクヨクヨするためのものではなく、

  ロードマップのどこで間違えたのかを点検するために行う。


○仕事を任せられない人。

 ・仕事を頼む相手として、任せるのに不十分な人。

 ・人に仕事を任せるのが下手な人。


○安心して仕事を任せることができる人は、「期限内に」「期待したもの」を出してくる人。

 ・小さな約束を守ることができない人と、大きな約束はできない。


○仕事に拘りを持つ。

 ・真剣に取り組んだ仕事は、細部まで鮮明に記憶に残っているもの。


○成功の元は成功。

 ・今の仕事で成果が出せないから違う仕事で成功しようとしても、可能性は低い。

 ・今の仕事で成果を出す、成果を出す行動様式を持っていることが、次の仕事で成果を

  出すために必要なこと。


○やりたいことを見つけるためには、やりたくないことを明確にすればよい。

 ・やりたいことは、やりたくないことから見えてくる。

  やりたくないことを明確にするのは、やりたいことを実現する過程で、やりたくないことを

  しないようにするため。


○「意識改革」はしなくていい。

 ・業績が落ち込んでくると、従業員の意識改革が必要だと言い始める経営者がいる。

 ・しかし、意識がどうなると成功するのか、定義が不可能。意識は目に見えず、効果を測定

  できない。

 ・従業員の意識が変わり、社員間のコミュニケーションが活発になり、皆がイキイキと

  働いているが業績があがらない。そんな状況で満足する経営者はいない。

 ・意識に注目するのではなく、「行動」の変革に取り組まなければならない。


○「上限」は自分で決めてしまうもの。

 ・「私はバーディが3回続くと、次のホールは何かトラブルがあるのではないかと考えて

   しまう。しかしアニカ・ソレンスタムは、全ホールバーディを目標に毎ホール積極的に

   狙ってくる。常にプラスのことしか考えていないように見える。」 -宮里 藍-