3分間コーチ ~ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術~ | 頭の整理と思考のトレーニング

3分間コーチ ~ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術~

ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ/伊藤 守
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1.この3分間が組織を変える

○実際の仕事は人が行っている。人は計画したとおりに動くわけではない。

 ・社員は生身の人間なので感情や欲求が仕事に大きく影響する。全員に同じ行動をロボットのように

  常にムラなく求めるのは無理がある。

 ・人間はどうしたらアイデアや計画を実行に移すことができるのか。社員が自発的に喜んで、情熱を

  傾けて仕事に取り組んでいくようになるために、何ができるのか。

 ・人間に対する知識や知恵が求められている。

○何を話すかよりも、その人のために時間をとること自体が、その人を大事にしていることを伝える。

 ・部下について自分が知らない、ということを知る。

 ・部下のことを考えることが、部下を大切にするということ。

○気づきだけでは行動は変わらない。

  【誤】 気づき → 行動

  【正】 気づき → 熟考 → 選択 → 行動

○計画と実行の間には溝がある。

○上司の言うとおりに部下が動くならば、上司は要らない。

○組織の成長スピードは、社員一人ひとりの自律性の度合いに比例する。

 ・議論が白熱し盛り上がったのだから、現場も変わるはずだと思っていないか。

 ・すばらしい計画を立てれば、実行されるのが当たり前だと思っていないか。

 ・部下全員に「イエス」と言わせれば、次の瞬間から行動が起こると思っていないか。

 ・業績のあがらない部下や部署の責任を問えば、彼らは変わるのか。

 ・会議室で問題を解決すれば、それで本当に問題は解決するのか。

 ・目からウロコが落ちたら、行動は変わるのか。

 ・分かったら、物事は実現するのか。


2.その瞬間をつかまえる

○人は変化に対して受け身になると弱い。変化が来る前に変化をこちらからつくっていく。

○優れた上司は部下の問題を解決するのではなく、自分で問題を解決できる部下を育てる。

○「ToDoリスト」と「NotToDoリスト」

 ・やらないことを決めることによって、やるべき必要なことを行うことができる。

○人が求めているのは、アドバイスよりもブレーンストーミングの相手。

○やるべきことは分かっているのに、なかなか行動に移すことができない。

 ・アイデアの実現には、アイデアを行動に移すアイデアが必要。

   ex) ・1人でやるのか協力が必要なのか。

       ・どれくらいの時間がかかるのか、どんなツールが必要なのか

      ・やり遂げるだけの能力を自分が持っているか

      ・リスクは何か

      ・なぜ自分はこれをやるのか、自分にとってのメリットは何か

○部下が声をかけやすい環境をつくる。

 ・上司が思っている以上に、部下は上司からの提案や要望、ビジョンの明確化を求めている。

 ・「何かあったら声をかけてくれ」では相手は声をかけられない。

   ex) 「判断に迷った時や優先順位に迷いがあった時、予想外のことが起こった時には、

       遠慮なく子をかけてくれ」

 ・部下が声をかけてきたら、部下の声に耳を傾けること。

   ・無理にアドバイスをしたり問題解決しようとするよりも、とにかく話を聞くこと。

   ・いつも話やすい環境をつくる。

   ・機嫌がよい時も悪い時も対応を変えない。

   ・皆が困っていることに関して、すぐに解決する方向に動く。

   ・話をする時は、腕を組んだりふんぞり返ったりしない。

   ・起こらない。しかし注意はする。

   ・相談がなかった案件は厳しく対処する。

   ・相談した時点で責任は上司である自分に移る。

   ・指示は明確にあまり多くを求めない。やること、やらなくてよいことを明確に。

   ・提出日や期限は「いつまでだったらできる?」と確認して、決めさせる。

   ・なぜやるのか、どうしてやらなければならないのかを明確にする。


3.そこに、その「場所」をつくる

○部下が質問できるようにするのが上司の仕事。

○正しい答えや「イエス」を要求し続けると、創造性は萎縮する。

 ・創造性を引き出すには、使えそうも無いアイデアを1,000は聞く覚悟が必要。

○部下の肯定的な態度や行動をアクノレッジメントすることで方向付けることができる。

 ・アクノレッジメント=承認すること

 ・That's it !(それだよ!)

 ・考えたり注意したりするのではなく、よく観察して、「それだよ!」と伝える。

 ・上手くいっていること、上手くいきそうなことを部下がやった時、そのことを指摘する。

  褒めるのではなく、事実を事実として伝え、方向性を示す。

   ex) ・時間どおりに全員がそろった時、「時間どおりにそろったね」

      ・失敗を報告に来た時、「自分から言いにきたね」

      ・約束が守られている時、「約束が守られているね」

      ・資料がよくできていた時、「君がつくった資料はそのまま使った(出した)よ」

      ・その他、ルーティンの仕事に変化があった時、小さな創意工夫があった時、

       他人に対する思いやりを示した時、気の利いた行動があった時、etc

 ・アクノレッジメントで部下を方向付ける。賞賛は評価。承認は方向付け。

○お金のためではなく、恐れからではなく、人は好意と信頼の中で進んで仕事をする。

 ・部下との信頼関係は毎日築いていくもの。

 ・今日1日に部下の名前を何回呼んだか。

 ・部下とどのくらい視線を合わせたか。

 ・部下が昨日どんな服を着ていたか思い出せるか。

○直接、毅然と要望する上司を部下は尊敬し、信頼する。


4.これについてコーチする

○部下の可能性を開くのが上司の仕事。

○会社の(職場の)コミュニケーションを活性化するには、「問いを共有」すること。

 ・答えを強要してはいけない。一人ひとりが自由に考えることに意味がある。

  ex) ・どんなサービスをしてみたいか。

     ・お客様は我々のサービスに満足しているだろうか。

     ・社員な仕事の何に満足しているだろうか。

     ・会社の未来とは。

○「問いの共有」が行動を起こす。

 ・「問い」には、「分かったつもり」から行動へと移行させる力がある。

 ・「分かったつもり」とは安定した状態。しかし恒常的に問われ続けると、「分かったつもり・安定」

  から、「分からない・不安定」へとシフトする。

 ・人は不安定になると、安定するために、行動を起こすもの。

○会社の少し未来を見せ、ワクワクするようなビジョンを語り、「問いを共有」する。

 ・しかし部下が本気になっていない、今ひとつ情熱が感じられない。その場合は、一番大切な

  ことが抜けている。

 ・「それで、私はどうなるの?」 (What's in it for me?:私が手にするものは何?)

○「場」とは、人と人との関わり、全体との関係性。

 ・技術の高いサッカー選手がいるとする。しかし、ゲームの中でその技術が活用され、チームの

  勝利に貢献してはじめて「有能な選手」になる。能力だけを磨いても、それを発揮する「場」が

  なければ、その人は「有能」とはならない。


5.コーチ型マネージャーの時代

○人は変化したがらない。

 ・部下育成という名のものとに、思い通りに動かない部下を何とか変えようと試みる。しかし、

  人は変化したがらない。新しい行動や変化を嫌うのは、理性ではなく感情。

 ・人は変化しないことのリスクが、変化することのリスクを上回った時しか、変わろうとしない。

○変わらなければならないのは、上司。

 ・上司が変われば、部下も自然に変わる。

○コーチ型マネージャー。

 ・相手の能力を問いかけによって引き出し、その目標達成を促すのがコーチング。教えると

  いうよりも気づかせる。やらせるのではなく、自発的にやりだすのを待つ。それが基本。

○Make it Fun!

 ・人が成長し、パフォーマンスを上げる時、いつもそこには楽しさと面白さが伴う。

 ・部下との間に、その場に、楽しさや面白さを創り出している人、その中で部下を育て、組織の

  成長に貢献する。それが、これからのリーダー。

 ・人は楽しさの中で成長する。