頭の整理と思考のトレーニング -8ページ目

Plan-Do-See

計画を立てる(戦略・戦術を練る)。
実行する。
検証する。

思考に思考を重ねて目標達成に向けた計画(戦略・戦術)を立てる。計画に沿って実行する。実行してみた結果を検証する。検証結果を反映して、計画を練り直す。練り直した計画に沿って実行する。

目標を定めたら、この繰返しです。どんな仕事をしていても、仕事の仕方の基本中の基本だと思っています。

しかし、基本が一番難しい。
次から次へとやらなければならない仕事が山積している状況では、兎に角こなしていくことに追われ、“やりっぱなし”になってしまうことがあるというのが現実ではないでしょうか?本当に大切なことは得てしてシンプルで、そして実行が難しいのが常ですね。


以前「意思決定」について書いた時に、スピーディーな意思決定の精度については別の機会としましたが、今回少し触れたいと思います。

「trial and error」という言葉が誤解されていることがあるような気がしています。確かに「trial and error」とは、“試行錯誤”の意なのですが、「何でもかんでもとりあえず実行してみるんだ。失敗しても良い。」と曲解し、最初に“考える”という工程の重要さを蔑ろにしてしまうことが見受けられます。

まず考えることが重要です。
とことん考える。もうこれ以上のアイデアは無い!と思ってから後5分、考えてみることです。スピーディーな意思決定、スピーディーに仕事を行うということは、「Plan-Do-See」の高速回転のことだと思うのです。

「Plan」にかけた努力が大きいほど、目標達成までの時間と労力は、結果として短く・早く・少なく済むものだと思います。
 

リーダーに求められるもの


株式会社サイバーエージェント:藤田社長
「楽天のモールというビジネスモデルは、日本でしか成功していないですよね。あれは三木谷浩史社長が頑張った、経営者の気合いが大きかったと思います。」
(週刊東洋経済2004年11月6日号:36p)

株式会社ファーストリテイリング:柳井会長兼CEO
「“マネジメントには目的が、献身がなくてはならず、その献身は情緒的な自己投入でなくてはならぬ”と言う。僕は“情緒的な自己投入”とは経営者や上司のガッツだと思っている。“ビジネスで結果を出す”という意味でのガッツである。」
(プレジデント2004年9月13日号:52p)

経営者でも、ミドルマネージャーでも、チームリーダーでも同じだと思います。事業を成功させる、担当する部・課の事業計画目標を達成する、そのために必要なもの。それはリーダー自身の“何が何でもやるんだ!”という熱意です。

ビジョンを描き、目的・目標を明確にし、それを成功・達成するための熱意です。思考を重ね、計画を練り、それを実現するための熱意です。
(アニマル浜口流「気合だーっ!」だけの話ではなく)

部下は上司の熱意を感じます。
繰返し、繰返し、言葉で、行動で、目標を達成するんだと語られる情熱は、必ず伝わるものだと思います。

モチベーションが下がってしまっている社員にも、自分より年上の部下にも、理屈をこねる若手社員にも、心からの情熱は心に届きます。


The sky is the limit.
青空は果てしなく高く、情熱に際限はありません。

目標設定

「何故、山に登るのか?」
「そこに山があるからだ。」

誰が言ったのでしょうか?あまりにも有名なセリフです。


仕事をしていく上で、目標を設定し、その達成に向けて取り組むということはとても大切です。

長期的な視野に立ちつつ短期的な目標を立てること。
容易に達成可能なものではなく挑戦的な目標を立てること。
具体的な目標(数値化されればbetter)であること。
目標と手段を混同しないこと。

どのように目標設定を行うべきかということだけでも、こうあるべき!という考え方や意見が沢山ありますが、私は何よりも目標設定を行い、それを明確に意識すること自体が何より重要だと思うのです。

担当業務において、○○○を達成する!○○○の受注を取る!
自身の能力開発の一環として、○○○という資格を取得する!
後輩社員や上司から見られた時に、○○○○な社員(自分)になる!

まずは、どのような目標であっても良いので、設定して意識することです。私は、目の前の仕事をこなすことに追われ(慣れ)て、日々に流されてしまいがちな人間です。目標を見失い、時に忘れ、惰性に流されてしまいます。時々立ち止まり、自分の目標を見直すことを意識して行わないとダメなのです。


登山家が「何故山を登るのか?」と問われて「そこに山があるからだ」と答える。しかしこの答えは正確ではないと聞いたことがあります。
正確には、「山に頂上があるからだ」。

ずっとずっとどこまでも続く坂道を登る人はいません。“頂き”を目指して登るのです。“頂き”の無い山を登れば疲れてしまうだけ、“頂き”があることを忘れてしまうと、せっかく登っている山が唯の苦しい坂道になってしまいます。

貴方の目標は何ですか?
貴方は“頂き”を目指して歩いていますか?

日本で1万番目に優秀なビジネスパーソン

最近スポーツに絡む記事を書いていて、ふと1年前に聴講した、メンタルトレーニング指導の第一人者:西田文郎さんの講演でのお話を思い出しました。少し、私なりのテイストを加えてご紹介致します。


日本全国に、いったい何社の企業が存在するのでしょうか?

上場・店頭公開企業数だけでも約3600社。
日経gooに登録されている企業情報数は約120万社。
物凄い数の企業数ですね。

上場・店頭公開企業だけを考えたとしても、日本には約3600人の「社長」がいます。1社平均3人の役員がいると仮定すると(もっといると思いますが)、約1万人の「取締役」が存在します。肩書き=優秀なビジネスパーソンという方程式が必ず成り立つとは思いませんが(成り立っていて欲しいですが)、大胆に言い切ると、日本で1万番目に優秀なビジネスパーソンになることができれば、上場企業の取締役になることができるのです。

スポーツの世界は厳しいですよね。
その競技で「世界一」になって、初めてオリンピックで金メダルです。
種目によっては銅メダルだとガッカリされてしまいます。世界で3番目だというのに。

ビジネスの世界は楽な世界です。
日本で1万番目に優秀であれば、上場企業の取締役です。
スポーツの世界で「私は日本で1万番目に強い選手です!」と言っても、誰も相手にしてはくれないでしょう。



そう考えると、日本で1万番目に優秀なビジネスパーソンになる!って、十二分に出来そうなことだと思いませんか?

ブランド戦略と企業ポリシー

Sankei Web:仙台市民、新球団は歓迎も…人気のライブドアがなぜ

色んな意味で「やっぱりか・・・」と思った人が多いのではないでしょうか。私はそう思いました。ということはライブドアよりも楽天の方に対して、「安心感」や「信頼感」が高いイメージを大なり小なり持っていたのであろうと思います。

世論全般的に、先行表明のライブドアに好意的であり、後出しジャンケンの楽天に対するイメージが悪いと言われています。しかしプロ野球機構やオーナー会議メンバー等には、明らかに楽天の方がイメージが良かったと想像します。服装を中心とした外見のイメージ、話し口調が醸し出す紳士的イメージ等、ビジネスの「常識」「マナー」といったものをきちんと押さえていたのは楽天だったと思うからです。

体質や考え方が古い!という指摘があれば、それはライブドアや楽天が達成すべきであった目標を忘れてしまった意見だと思います。今回において、2社が同じく目標としたのは「日本プロ野球への新規参入」であり、重要なのは、目標を達成するための戦略・戦術だと思うのです。

ライブドアが新規参入を表明した当初、問題の焦点は近鉄とオリックスの球団合併によるパ・リーグ存亡の危機にあり、「パ・リーグ」という大きな枠組みを支えるキーパーソンはプロ野球ファンでした。よって、まず攻略すべきはファン(大衆)であり、この時点でのキーパーソン攻略に関する戦略はライブドアの成功だったはずです。

しかし、後だしジャンケンと言えども楽天の参入表明後、問題の焦点は「プロ野球への新規参入企業をどちらにするか」に移った訳で、この時点からキーパーソンが「ファン・大衆」から「プロ野球機構」や「既存球団オーナー」に変わったのは明白なのです。

ビジネス・商売の鉄則です。キーパーソンを攻め落とすこと。
より高い戦略性を持ってライブドアがプロ野球参入を狙うのであれば、攻略すべきプロ野球機構やオーナー面々を「顧客」と見立てたマーケティング戦略に基づき、自社の売り込みをすべきであったはず。例えそこに旧体質さがあろうとも、「何を為すべきか」「何を目標としているのか」を最優先事項とすれば、顧客ニーズに合わせた戦術を取るべきだったと思うのです。

それは、社長という広告塔の外見や発言・振る舞いだけではなく、新球団に用意する体制や登用する人材の選択等々、全てに一貫して表現できることであったはずです。そういった面でも、楽天側に「信頼感」があり、ライブドアには「奇抜さ」が際立っていたのだと思います。

ライブドアが最も大切にしたことは「プロ野球への参入」なのではなく、「自らのポリシーを貫き通すこと」であったと見えてしまいます。逆に楽天は、その戦術の上手さが故に「姑息」に見えてしまったという点も否めないでしょう。しかし楽天には、これからの球団運営において汚名返上していくチャンスがあるのです。

最終的に楽天が選ばれた理由は企業財務体質と発表されましたが、本当にそれが理由だったのでしょうか?私は「ブランド戦略」の差だと思うのですが、皆さんはどう考えますか?




「私は淡々とした人間ですから」と繰り返す堀江社長。

しかし悔しくなかったはずがありません。諸々の批評はさておき、「堀江貴文」という男がプロ野球への参入表明をしたことが、結果として12球団体制存続という結果を生み出したということに間違いはありません。

どんなことでも、最初の一歩を踏み出すこと、最初の一声を発することには勇気がいるものです。ビジネスの進め方が賢かったかどうか、参入表明の真意は何処にあったのかは別として、今までの愚直なまでに真っ直ぐな進め方に「男気」「男のポリシー」等を感じてしまいます。

「良く頑張った!男として感じ入るところがあった!」
などと偉そうですが、心から拍手を送りたい。そんな気分です。